三谷八幡神社の慰霊祭奉仕について
日頃より、三谷八幡神社への崇敬を賜りまして、誠にありがとうございます。
令和4年のお盆期間ということで、今回は神道式の「慰霊祭」についてご紹介申し上げます。
「お盆」や「お彼岸」と聞くと、仏教だけの行事かと思われる方が多いかもしれません。
しかし、神道の世界にも、古くから「祖霊信仰」もしくは「みたま信仰」というものがあります。
仏教では、ご先祖様は「仏様」として、先祖供養を行うのがならわしです。
それに対して神道では、ご先祖様も「神様」のひとりとしてお祀りをする「先祖崇拝」という文化があります。
神道では、神に仕える者として「敬神生活の綱領」という指針が掲げられているのですが、その中にもこのような一文がございます。
「神の恵みと祖先の恩とに感謝し、明き清きまことを以て祭祀にいそしむこと」
これはまさしく「敬神崇祖(けいしんすうそ)」の心で、私たちが生きるこの時代まで、脈々と命を繋いできてくださったご先祖様に、改めて感謝をする大切なこと。
今年は、お盆の入りに崇敬者さまよりご依頼をいただき、神社で「慰霊祭」のご奉仕をいたしました。
ご自宅より霊璽(れいじ=仏式で言う位牌)をお持ちいただき、祖霊への感謝とそのみたまが鎮まりますよう、祈りを届けさせていただきました。
仏教で言うところの「仏壇」は、神道では「祖霊舎」という形で、ご先祖様のためのお社を用意して祖先の霊をお祀りしています。
神社によっては、境内に「祖霊舎」を見かけることもあることでしょう。
※上記画像は、埼玉県の三峯神社にある祖霊舎です。
ご家庭の中でも、神棚とは別に小さな「祖霊舎」のお社を置いている方も、いらっしゃるかと存じます。
祖霊舎でも仏壇でも変わらないことは、私たちの暮らしの身近な場所で、「ご先祖様が見守ってくださっている」ということを意識しながら生きてゆけるという心強さなのではないでしょうか。
日本人にとって「死後の世界」は決して遠い話ではなく、一度はこの世を去った霊魂も、お正月・春分・秋分・お彼岸、そしてお盆に帰ってくると信じられています。
この季節には、そんな死生観に基づき、各地で慰霊の想いを込めて精霊流しなどの行事も行われていますね。
ご先祖様はある意味で、一人ひとりの人にとって、最も身近な場所から応援してくださっている、親心の慈愛に満ちた魂だと言えるかもしれません。
そして「祖先と子孫」の関係は、もちろん各家庭にありますが――。
それを国家規模に拡大していくと、かつて命を賭して私たちの国を戦争から守らんとした、多くのご英霊がいたことを忘れてはなりません。
その魂は靖国神社にお祀りされており、毎年「みたままつり」が行われて、多くの人が参拝に足を運んでいます。
この季節には皆様も、命を繋いでくださったご先祖様と、国を護り平和を築いてくださったご英霊たちに、祈りを捧げていただければと思います。
また、神道式「慰霊祭」奉仕のご依頼につきましても、お気軽にお問い合わせください。
(※当社には、三峯神社のような祖霊舎がございません。このたびのように一時的な慰霊祭は奉仕できますが、永代に祖霊をお祀りすることはできません)
三谷八幡神社 社務所
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